冷蔵庫内の動的平衡

久しぶりの更新になります。別にサボっていたわけではないのですが、コロナウイルスに対するこちらの姿勢がはっきりしていくにつれ、それはデリケートな問題を含んでいて簡単に書くことができず、困ってひたすら考えていました。インターネットでは書けないことがあるのだということもここでようやくわかりました。
この2ヶ月間、講座のメンバーを中心に個別に臨時のセッションをしたりメールでのやり取りなどをしてきましたが、これからは講座でも少しずつお話ししていこうと思います。
そういうわけで、会員の皆さんには毎月の初めにお送りしている「愉気便り」も今月は遅れていてようやく昨日から順次発送を開始したばかりです。

さて、そんなこちらの事情はお構いなしに季節は進み、体の不調を訴える人は毎日訪れています。
最近は皮膚に斑点が出て高熱が続く謎の感染症が目に付きます。当然、コロナを念頭に置いた検査を受けますが陽性反応はなく「謎の感染症」と言われています。コロナのなりそこないなのかもしれませんが、梅雨時は皮膚にこういった症状が出るのは以前からあることです。
梅雨時は食べ物が傷みやすいから中毒を起こしやすいというのは誰でも知っていますが、整体を勉強していくと、食中毒とは別に、梅雨時は体が壊れていくものだということがわかってきます。
先週もそういうテーマで講座をしたばかりなのですが、昨日は僕自身が単純に痛んだものを食べて食中毒症状を起こしてしまいました。足元をすくわれたような思いです。

夕食後はいつもなら気だるさを感じながらボーッとして過ごす時間なのですが、居心地の悪い気持ち悪さを感じて落ち着きませんでした。2時間ほどで吐き気がしてきて、いったい何が起きているのか州子に体を観てもらいました。
「内臓が腫れ上がっているし背骨もズーッと下まで捻れているよ。急性中毒だと思うけどなんか変なもの食べた?」
僕はちょっとムッとして「食べたのはあなたが出してくれたものだけです」と答えましたが、昔、自分で作った酢締めの甘いシメサバに当たって苦しんだ時の感じにそっくりの症状だと自分ではもうわかっています。四夜連続でカツオの刺身が出てくるのを昨夜は「おかしいな」とは思っていたのに何も言わずに食べてしまった自分が情けないのですが州子は食べてなかったようです。
排毒を促すために右足の二三指間を押し広げられると飛び上がるほど痛くて、
「それはいくらなんでも痛すぎだと思うけど」と訴えたのですが、州子は「あなたにやられている人たちの方が痛そうだけど」と言って取り合わないのです。そんなことはないと思うのですが。二三指間が通ると下痢が起きて一件落着なのですが、こういったことに慣れてしまっているほど食中毒が多いことは反省材料です。酢で締め過ぎていないシメサバを自分で作るのが好きだし、肉も腐りかけた頃が美味しいとか言っているからしょうがないのですが。


実は、故障続きだった冷蔵庫が先週突然壊れて急遽買い換えたところでした。
前の冷蔵庫は引越しの時に買い換えたものでした。
「冷蔵庫が小さくて食材が入らないわ」とよく言われていたので一回り大きいものにしたのですが、すぐにまたいっぱいになりました。
「賞味期限が切れたものまで取っておくからだよ」と言っても、「私はねずみ年だからためておくのが好きなの」とか言って取り合ってくれませんでした。 先週、新しい冷蔵庫が来てから州子は「冷蔵庫がいいと料理も美味しいわね」とここのところ毎晩言っていました。性能が良くなったのは確かなのですが、食材が腐らなくなるというのは単なる勘違いです。

今回の教訓は冷蔵庫です。
「冷蔵庫を大きいものに買い換えてもすぐに同じようにいっぱいになる」というのが前回発見した法則だったのですが、今回は「冷蔵庫を性能の良い物に買い換えても、以前と同じ比率で食べられない食材が保存されている」ということがわかりました。
川の流れはいつも同じように見えても流れている水は入れ替わっていることを動的平衡というなら、中身が毎日入れ替わっているのにいつも同じような状態にあるうちの冷蔵庫内も安定した平衡状態だと言えそうです。
そういえば、毎年同じような頻度で繰り返されている僕の食中毒も、そのことで何かを保っているのかもしれません。