中毒に気がつく

中等講座のメンバーにはなぜか医療現場で働いているひとが多いのですが、コロナ禍で、その彼女たちが職場で自身への過剰なアルコール消毒を強いられているという話を聞きました。
「もう、アルコールには触りたくない」と感じるほどまいっているらしいのですが、そんな彼女たちの訴えを「そんなことは自分でなんとかしなさい」とばかりに冷たくあしらったのはつい最近のことでした。これが初心者だったら「そういうときはね」と言って中毒とはなんなのかを説明してあげたと思うのですが、中等講座の人たちですから「中毒操法を使わないで済むようになることが中毒を理解することだ」とか言ったと思うのです。でも、そんな偉そうなことはしばらく言えそうもありません。僕自身が身を持ってアルコールの害を知ったのはまだ昨日のことです。
そういえば、超音波のアロマデュフューザーにアルコールを混ぜて空気中に拡散している職場もあると聞きました。これは、僕がやってしまったことと同じですね。これを報告してくれた女性は呼吸が苦しいことを訴えたそうですが、職場のオーナーは意味がわからなかったようです。

言うまでもないことですが、すべての薬が、その使い方と量によって毒にも薬にもなります。
生活空間や環境のいたるところに殺菌剤が使われていますが、毒を撒くことを消毒と呼んでいることが落とし穴です。
欧米の公共の場で大規模に消毒薬を散布している映像を見ると、ウイルスを抑制してくれていたはずの細菌なんかも皆殺しですね。アルコール消毒はコロナウイルスだけを殺すのではないということです。無菌状態の環境では免疫力は著しく低下します。免疫力というのは外敵を攻撃する力ではなくて、自分自身を取り巻いている環境の中での細菌やウイルスなどすべてのバランスのことだと僕は思います。

毎年、初夏は体に変動が起こる時期ですが、今年は消毒のしすぎで体調不良を起こす人が増えるのかもしれません。